海外在住者が考えておきたい日本の親の終活

インターネットの普及により外国間においても簡単に電話、メールを使って音声やビデオ交信ができる世の中になりました。ビジネス、プライベートにかかわらず世界中の人とのやりとりはインターネットを利用して手軽に行なえます。しかしそうした中でも冠婚葬祭については「インターネットで…」というわけにはいきません。それが身近な親族の最期に関わることとなればなおさらです。たとえば高齢の親が日本で暮らしていて日本に兄弟姉妹など頼れる親族がいない場合、親に何かあったら海外に住む自分だけで対処できるでしょうか? 急いで日本を訪問し親に関する様々な手続きを進めなければなりません。

そこで今回は海外在住者が考えておきたい日本に住む親の終活について紹介します。現在海外に居住されている人で将来自分が日本へ永住帰国後、海外に住む子どもへのアドバイスとしても参考になるかと思います。

尚一般的に「終活」とは「人生の終わりのための活動」で生存中からの活動を意味しますが、ここでは死亡時の手続(「死後事務手続き」といいます)のことを指します。

■むずかしい日本の手続・習慣

当然のことですが日豪の手続きや習慣は異なります。長年海外で暮らしていた人にとって日本の終活のことはわかりません。たとえ知っていたとしても「何となく覚えている」程度であって、いざ手続しようと思っても何から始めればよいか迷ってしまうかもしれません。まして子供のころから海外育ちで日本語も十分理解できない子であればなおさらでしょう。

 そこで重要なことは、今のうちから日本の終活に関する手続きを調べ、日本への訪問を含めやるべき項目や連絡先(日本の親族、役所、候補となる専門業者など)を事前に確認しておくことです。

■一般的な死後事務手続き

日本で人が亡くなった時の手続きを以下表にまとめました。これは一般的なものになりますので、人によってはさらに必要な手続きがあります。(ペットや債務の処理など)

死亡時

役所への死亡届の提出(除籍の届出、埋葬・火葬許可証)

病院・介護施設の退院・退所手続き。料金精算

葬儀・火葬に関する手続き(葬儀業者への手配)

埋葬・散骨に関する手続き

関係者への死亡通知

死亡後

役所での健康保険・公的年金等の資格抹消手続き

資産整理、不動産の処分

生命保険の手続き

住居内の遺品整理

公共料金等の解約精算手続き

相続手続き(相続税申告・納税)

住民税や固定資産税の納税手続き

行政機関発行の資格証明書(運転免許証等)返納手続き

車両の廃車手続き

表の「死亡時」については死亡直後の手続きであり時間的な猶予はあまりありません。特に役所への届け出や葬儀の手配は数日以内に行うものですが、海外から駆け付ける場合は航空券や宿泊の手配などが発生するため間に合わない可能性があります。(医療機関にかかっている場合は臨時的に対応してくれる場合もあります)

■事前の準備が大事

終活手続きを海外の子に託すのであれば、各手続きの内容や役所、専門業者へ依頼する場合の連絡先などを確認しておく事が望ましいでしょう。手続の流れや(仏式など)葬儀の慣習などを知っておくだけでも慌てることなく、また気分的にも落ち着いた対処が可能です。できればマニュアルにするのがよいでしょう。せっかく準備しても、いつ来るかわからない「その時」までに忘れてしまっては意味がありません。

いかがでしょうか?ここでは死後事務手続きを取り上げましたが、終活にはたとえば親が認知症になった場合の介護や金銭管理なども含まれます。興味のある人はこの機会に調べてみてはいかがでしょうか?