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日本の年金について 「家族がいると上乗せされる加給年金」

前回(9月)に投稿した記事では「家族にもぜひ知っていてほしい遺族年金」ということで、年金受給者(予定者)が万が一亡くなってしまった場合、残された遺族の生活を守るための遺族年金を紹介しました。
今回は同じく家族に関わる年金として加給年金を紹介します。

■加給年金制度の概要

加給年金は海外では家族年金とも呼ばれるもので、年金受給者本人が基礎年金受給開始年齢である65歳時(昭和24年4月1日以前生まれの方は60歳~64歳の時点)において65歳未満の配偶者がいる場合、老齢年金に上乗せ支給されます。(老齢年金とは別にもらえます)

この制度の目的ですが、年金加入者がリタイヤし老齢年金をもらう年齢(65歳)になったにもかかわらず、まだ年金受給開始年齢に達していない扶養家族がいる場合に支給されるものです。したがい65歳未満の配偶者だけでなく、18歳未満の子がいる場合も支給されます。

対象は日本の厚生年金に20年以上加入していた場合に限られます。もともと日本の年金制度では、国民年金が国民一人ひとり(個人)の生活の安定を目的としているのに対し、厚生年金は労働者(世帯)の生活の安定を目的としていることから、一定期間(20年)加入している厚生年金加入者だけに適用されます。

夫婦共働きで配偶者も厚生年金に20年以上加入していた場合は適用されません。また65歳時以降に婚姻した配偶者がいる場合も対象とはなりません。

■受給額は最大年間約39万円、海外在住者は短期間の加入でももらえる?

加給年金の受給額ですが最大で年間約39万円です。(年金受給者の生年月日によって金額が変わります) 老齢年金に上乗せされるのでかなりお得な制度です。

受給対象者は厚生年金に20年以上加入していると説明しましたが、オーストラリアは日本の年金に関する社会保障協定を締結していて、厚生年金に20年加入していなくても厚生年金とオーストラリア年金(Age Pension)の通算加入期間が20年あれば対象となります。(Super Annuationは通算の対象とはなりません) ただしこの場合加給年金の受給額は厚生年金のみの加入期間で按分されるため、例えば厚生年金に10年加入していた場合は年間約19.5万円となります。

この制度は前述の通り年金受給開始年齢になったにもかかわらず扶養すべき配偶者がいる場合の救済ですので、受給できる期間は配偶者自身が年金受給開始年齢である65歳までとなります。配偶者が65歳時点で加給年金はなくなりますが、もし配偶者自身が年金を受給する場合は、加給年金に代わって振替加算というものが配偶者に(加給年金受給者ではありません)生涯支給されます。

■家族がオーストラリア国籍でももらえます

意外と見落としがちなのですが配偶者(および子)の国籍は問いません。オーストラリア移住後に結婚(再婚を含む)した一見日本の年金とは縁のなさそうな外国籍の配偶者でも加給年金の対象となります。また日本とオーストラリアの通算年金加入期間が20年でも対象になるというルールは2009年に締結された日豪社会保障協定によるものなので、それ以前に年金申請された方は加給年金が含まれてない場合があるので一度チェックしてみるといいかもしれません。