ライフメイツ社労士事務所blog

日本の年金制度 ~海外居住者は加入期間が短くても貰える?~

オーストラリア暮らす日本人の方についてはその目的が移住(永住)、仕事(駐在)、留学、オーストラリアの人と結婚して一緒に暮らしている、などそれぞれです。オーストラリアで日々暮らしていても、以前日本で働いていたり現在家族が日本にいる、将来は日本に帰国する可能性がある、といった環境では常に日本の情報はキャッチアップしておきたいものです。ここではそうした日本の情報の中でも、暮らしや生活に関わる日本の年金や社会保障、行政手続、マネーライフについて紹介していきたいと思います。

第1回目は老後の生活のための日本の年金制度についてです。

1.昔のことで諦めたり忘れていませんか? 日本の年金

年金は社会保障政策の一環として各国で実施されており、通常日本企業の駐在員の方であれば厚生年金などの日本の年金制度、オーストラリアに移住された方であればオーストラリアの年金に加入します。移住者の方は当然オーストラリアの年金制度については関心が高いと思いますが、以前日本に住んでいた頃の年金について関心をお持ちの方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?

日本に住んでいた頃に厚生年金、国民年金、共済年金へ加入していた方は少なくないと思います。しかし数年間程度の短期間の加入で、まして遠い昔のことで現在は「覚えていない」「もらえないはず」「自分には関係ない」とお考えではないでしょうか?

実は昔のことでも年金加入者の記録はきちんと保存されており、本人が申請すれば記録内容を調べ、そして年金を受給することができるのです。「でも年金は長期間加入して保険料を払い続けないともらえないのでは?」とおっしゃる方がいるかもしれません。確かにその通りなのですが、海外在住者は短い加入期間でも受給できる場合があるのです。

2.加入期間が短くても日本の年金を受給することができる?

オーストラリアの年金制度には社会保障制度のAge Pension(老齢年金、以下AP)と、退職年金保証制度Superannuation(退職年金、以下SG)があります。APは税を財源とする年金で、対象となるのはオーストラリアに少なくとも連続した5年間を含む10年以上住む居住者(市民権または永住権保持者)です。SGは退職後の生活のため、雇用主が被雇用者のためにスーパー運用基金に支払います。

一方、日本の年金制度では自営業者や主婦が加入する国民年金、サラリーマン、公務員、学校の教職員などが加入する厚生年金、共済年金があります。日本の年金の場合、受給要件として各年金に通算10年加入する必要があります。ここであまり知られていないことなのですが、海外居住者については海外在住期間を10年に含めることができます。

例えば日本でサラリーマンとして厚生年金に年間だけ加入し、その後退職してオーストラリアへ移住して10年間居住(市民権または永住権保持者として)したとすると、合計加入期間が16年間となりますので、日本の年金を受給することができます(ただし日本の年金受給額は6年分の保険料に相当する額のみ)。これら措置の適用によって多くの移住者の方が日本の年金の受給対象となります。

3.調べてみよう、自分の年金記録

多くの方は自分が年金に加入していたか覚えていますが、厚生年金のように本人が知らない間に会社が手続きしていた、両親が勝手に自分の国民年金に加入していた、などのケースもあり、自分が知らない間に年金に加入していたということがあります。ですので「自分はもしかしたら…」と思う方はまずは一度年金記録を調べてみましょう。

手続きは日本国内にある年金事務所で行えます。日本へ行く機会のない方は郵送での手続きや家族または専門業者に依頼して手続することができます。

備考)日本の年金の受給要件は元々加入期間が25年でしたが、2017年8月から10年に短縮されました。